さっきPCがフリーズした後、画面中央にタスクマネージャーだけが怖がらない黒い四角が残り、最後は責任をTypelessになすりつけた

さっきこのPCでちょっと面白い Windows の不具合に遭遇したので、切り分け(調査)過程を記録しておく。

現象をまず分かりやすく言うと:

PCが一瞬カクッとなったあと、画面中央に巨大な黒い長方形が出現した。いちばん意味不明なのは、これが他のウィンドウは遮るのに、なぜかタスク マネージャーだけは遮られないこと。

この感じがかなり不気味で、フリーズっぽくもないし、モニター故障っぽくもない。むしろ画面上に突然「幽霊ウィンドウ」が増えたような感覚。

最初の直感では、いくつか可能性があった:

  • モニターパネルが壊れた
  • Chrome か何かのブラウザウィンドウの描画が死んだ
  • GPU ドライバーがさっきリセットされた
  • 常駐のフローティングウィンドウ/オーバーレイ系が落ちたが、ウィンドウの残骸だけがデスクトップに残った

その後ひとつずつ潰して、だいたい答えを絞れた。

まず「モニターが壊れた」ではないと確認

いちばん重要な小さなポイントは:この黒い塊がスクリーンショットに写る。

これは重要で、もしモニターパネルのドット欠け・液晶漏れ・圧迫傷みたいな物理故障なら、通常スクリーンショットには写らない。
スクショにも写る=Windows のグラフィックスタック側の何か、つまり「ソフトウェア層のウィンドウ」であって、物理画面の故障ではない。

次にシステムログを漁る

2026-04-06 01:27 前後のログを見たら、タイムラインがわりと面白かった:

  • 01:27:12alttab_windows.exe がハング
  • 01:27:19DWM(デスクトップ ウィンドウ マネージャー)が終了して再起動
  • 01:27:20CPALauncher.exe がクラッシュ
  • その後に LiveKernelEvent 117 / 141 / 1a8 / 1b8 が並ぶ
  • WindowsBlackScreenDiagnosticsV1 も出ている

ここでいちばん価値があるのは「誰が落ちたか」ではなく、CPALauncher の .NET 例外にこう書いてあったこと:

デスクトップ合成が無効化されており、DwmExtendFrameIntoClientArea を完了できません

意味は非常に直接的で:
CPALauncher が先にシステムを壊したのではなく、デスクトップ合成/DWM がその瞬間に一度途切れた。たまたまそのタイミングで DWM のAPIにアクセスしたため、巻き添えで落ちただけ。

なので大きな方向性はもう明確:

先に起きたのは表示/グラフィック経路の異常で、そのあと各アプリが連鎖的にエラーを出した。

なぜ「単一アプリ」ではなく「グラフィック経路全体が揺れた」と疑うようになったか

後続のノイズがやけに整っている:

  • Typeless の Sentry ログで screen.display-removed / added / metrics-changed が繰り返し出る
  • PixPin.exe が後から d3d11.dll で2回クラッシュ
  • NVIDIA Overlay もその時間帯にオーバーレイプロセスを何度も再生成

こういう現象をつなげると「あるアプリが単にバカになった」というより:

システムが表示デバイスを「抜けた→戻った」と認識した、または GPU ドライバー/合成経路が復旧処理をした、に見える。

Windows のグラフィック経路が一度でも揺れると、デスクトップをいじる系のアプリが真っ先に死ぬ:

  • フローティングウィンドウ
  • オーバーレイ
  • スクショツール
  • ウィンドウ切り替え強化
  • 透過ウィンドウ
  • グローバルホットキー
  • Electron 小物

そしてこのPCには、ちょうどそういうのが結構入っている。

黒い塊の正体を特定できた瞬間

その後は推測をやめて、画面中央のその領域の上に乗っているトップレベルウィンドウを列挙した。

結果がきれいに刺さった:

  • プロセス:Typeless
  • ウィンドウタイトル:Status
  • 座標とサイズが黒い塊とほぼ完全一致

つまりこの黒いものはブラウザでもデスクトップでも GPU のOSD本体でもなく、Typeless のステータス用フローティングウィンドウだった。

さらに Typeless のローカルリソースを見たら、こんな文字列まで直接出てくる:

  • floating_bar__window__title = "Status"

これでほぼ確定:

あの黒い塊の正体は Typeless のステータス浮遊ウィンドウで、グラフィック経路の異常後に正しく再描画/クローズされず、真っ黒なトップレベル幽霊ウィンドウになった。

「タスク マネージャーは遮られない」という細部がなぜ有用か

この現象は、かなり「上位レイヤーのオーバーレイ窓」っぽい。

普通のアプリウィンドウが黒くなっただけなら、タスク マネージャーも普通に遮られる。
でも特殊な常時最前面のフローティング、最前面固定、ツールウィンドウ、レイヤードウィンドウ等だと、タスク マネージャーが表示優先度で上に来て押し勝つことがある。

だから「他は遮るのにタスク マネージャーは遮れない」というのは、実はかなり露骨なヒントで:

ブラウザのタブばかり見ずに、トップレベルのオーバーレイ窓を当たれ。

最終的な対処は地味

オカルト的な修復は何もない。

最後に黒い塊を消した操作はひとつだけ:

Typeless プロセスを強制終了する。

落とした瞬間、黒い塊は消えた。

つまり「システムが壊れて再起動しないと戻らない」状態ではなく、まだ生きているが中身だけ壊れたウィンドウ実体が残っていた、ということ。

今のところの「根因」と「近因」の理解

二層に分けて考える:

近因

TypelessStatus 浮遊ウィンドウが、表示経路異常後の復帰に失敗して黒いトップレベルウィンドウが残った。

さらに下の根因

その時間帯に Windows のグラフィックスタックが先に問題を起こした。例えば:

  • DWM の中断/再構築
  • GPU ウォッチドッグイベントの発火
  • GPU ドライバーまたは表示トポロジーの瞬間的不安定

だから Typeless は唯一の原因というより、今回の事故でいちばん目立った被害者のひとつ、という位置づけ。

いま振り返って怪しいもの

自分の優先度で並べると:

  1. GPU ドライバー/グラフィックスタックの瞬間的不安定
  2. ウィンドウ強化/オーバーレイ系の常駐が積み重なりすぎ
  3. Typeless 自体の表示トポロジー変化への耐性が弱い

当時同時に動いていた「高リスク系」の種類は:

  • Typeless
  • PixPin
  • alttab_windows
  • NVIDIA Overlay
  • そして既に消した CPALauncher

これらは単体なら必ずしも問題にならないが、重なった状態は DWM と D3D11 にストレステストをかけている感じがある。

次回似た症状に当たったら、どうやってもっと早く処理するか

今なら切り分け順はこうする:

  1. まず黒い塊がスクショに写るか確認
  2. 写るなら即「ソフトウェア層のウィンドウ」で、画面故障ではないと判定
  3. まずタスク マネージャーを開き、フローティング/オーバーレイ/スクショ/ウィンドウ強化系のプロセスを探す
  4. 列挙または目視で、黒い塊がどのウィンドウか特定
  5. まずそのプロセスを落とし、その後でシステムログを確認
  6. 最後に、GPU ドライバー等の下層を触る必要があるか判断

暫定結論

今回は「モニターが壊れた」でも「Chrome が黒画面になった」でもない。

より正確には:

グラフィック経路/DWM レベルの異常が一度起きて、デスクトップ合成に依存するプログラム群がまとめて巻き添えで崩れた。その結果、Typeless の Status 浮遊ウィンドウが不運にも巨大な黒い幽霊ウィンドウとして画面中央に残った。

こういうのは本当に Windows っぽくて面白い。

一目で分かるタイプの故障ではなく、まず「黒い塊もウィンドウオブジェクトだ」という事実を受け入れると、後の道筋が急にスッと通る。

今後、ドライバーのバージョン、再現条件、あるいは Typeless のどの機能がこの状態を引き起こすのかをもう少し絞れたら、追記する。